素敵なカップルとI’m Sorry
オイス！ヤングタン石川ッス！
それは２杯目のコーヒーを飲み始めたときだった。
「じゃあ私、邪魔しちゃ悪いからこれ食べて帰るね。」
気がつくと隣の席には、参考書のような分厚い本を開く彼氏と、そんな彼氏を見つめながら、ワッフルをおいしそうにほおばる彼女。さっきまで座っていたおばあちゃんはいつの間にか、仲睦まじいカップルに入れ替わっていた。
「あ、そうだ！わたし、お金払ってない！」
「いいよ、だってほら、この前のお好み焼きとかあるじゃん！」
そんなハートフルな光景を眼にしていると、ブラックの苦みはミルクを入れたときのようにスッと奥に引っ込んだ。素敵なカップルだな、僕は本当にそう思った。
「じゃあ、頑張ってね！」彼女は店を出て行った。彼氏は見えなくなるまで手を振っていた。
そして５分後、彼氏も店を出て行った。
「ちょ、ちょっと待って！彼氏ってば集中力５分限界説ッ！」
Montaの「I'm Sorry」です。超名曲。
