お巡りさんと冬の空

オイッス!ヤングタン石川と申しまちゅ!


朝、バイクで近所の交番の前を通ると、お巡りさんがいて、
交番を背にし、交番のドアから数メートル離れた場所に立ち、
その眼を光らせている。町を見守っている。
警棒を杖のように体の正面に持ち、どっしりと大地を踏みしめるように立っている。
その勇ましい姿からは、どんな悪をも許さない、そんな凄みを感じる。


ある寒い朝、お巡りさんが立つその場所は、いつもより交番に近かった。


そしてもっと寒い朝、お巡りさんはさらに交番に近かった。
交番のなかには、真っ赤に燃えるストーブが見える。


そして記録的な寒さの朝、交番の入り口からは、警棒を杖のように持つ腕だけが覗いていた。